Gucchi's Free School

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Lagaan

1970年代~, スポーツ, ドラマ

監督:アシュトーシュ・ゴーワリケール / 上映時間:224分

1893年、インドの小さな村の物語。チャンパネール州の小さな村では他の村と同様に農作物で皆生計をたてていた。チャンパネールではイギリスの野営が来ており、インドの王を守る約束と引き換えに、農民からラガーン(税金)を取っていた。しかし村は干ばつに悩んでおりラガーンを納めていては、自分たちが生活できない。ブーバンという村の青年がイギリスのラッセル大尉の狩りを邪魔していると、見つかってしまい、次見かけたら殺すと忠告されてしまう。ブーバンたちはラガーンの苦しみを直接王に訴えに行く。訴えを聞いた王はラッセルにどうにかならないか相談をする。ラッセルはブーバンを見かけ、クリケットで勝ったら3年間納税の免除をすると言い、ブーバンはそれを受入れる。村人とイギリスの野営とのクリケットの試合が決まり、ルールさえ知らない村人たちはブーバンを批難する。しかし村人は一致団結しはじめ、仲間と共に奮闘する。

詳しいあらすじ

1893年、インドの小さい村の物語。チャンパネール州の小さな村。この村ではほかの村と同様に農作物で皆生計をたてていた。
そしてそこにイギリスの野営がやってきた。ラジャと呼ばれるインドの王を周辺の支配者から防衛と侵入者の撃退を約束し、州の農民から「ラガーン」つまり税金を取っていた。

村は干ばつに悩んでいた。ある夫婦がその会話をしている。
そして突然ケンカが聞こえる。どうやら近所の子供がよその家の鶏にいたずらをしたようだ。
口喧嘩をしているうちにイギリスの兵隊が行進してくる。
占い師のグランが兵隊の未来を予言する。しかしガウリという若い女性が来て、兵隊よりも私の未来を見てと言い、グランは王子様に求婚されるであろうと予言する。
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林の中。ブーバンという男がシカをめがけて石を投げる。イギリス人のラッセル大尉の狩りの邪魔をしているのだ。しかし結局見つかり失敗する。次見つけたら殺すと言われ、解放される。

ガウリはブーバンを見つけ、予言のことを伝える。しかしグランの言っていない事まで付け加える。それは、王子は家のそばに広い庭があり、その庭にはニームの木があり、2匹の雌牛、2匹の雄牛、そして3匹の山羊を飼っているという事だ。
さらにガウリはブーバンがどんな女性が好みか聞く。ブーバンは、自分の母親が好きになった人が好きだと答える。

さきほど狩りをしていたラッセルは王に呼ばれ面会する。
本題に入る前にエリザベスというラッセルの妹が登場する。
王はラッセルに頼み事をする。ラッセルは聞き入れるが、肉を食べたら取り入ってやると、菜食主義者の王に対して条件を出す。
王は断ると、ラッセルは代わりに増税を条件に出す。そもそも税金のカットを了解していたイギリスであったが、干ばつが原因で滞納していたのだ。
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村の寺院ではバガという男が何かを発見して叫びドラムをたたき始める。村人が集まりバガの指さす方向へ行くと、そこにはなんと雲が迫ってきていた。
村人は狂喜乱舞する。
雷が鳴りながら太陽を覆う黒い雲。しかしそれもつかの間。雲は去ってしまう。
雨は降らなかった。

そこで増税の知らせがくる。村人は無慈悲な政令に怒り嘆き悲しむ。
ブーバンは直接王に会って交渉してみると言う。村の長は万が一の事があったらどうするのかと反対するが、結局なにもしないでもいられない事になり、男たちで行く事にする。

村の男たちはイギリス人たちがクリケットというスポーツに興じているのに遭遇する。そしてその奥に王がいるのを発見する。
近づこうとすると護衛に止められる。ゲームが終わるまで待てと言う。
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そしてクリケットのボールが男たちのほうに転がり、一人がそれを拾い上げるが、イギリス人に触るなと怒鳴られる。ブーバンが反抗して取り押さえられる。
イギリス人の中にはラッセルもいて、ブーバンの事を覚えていた。気に入らないようであったが、王になだめられてゲームを再開する。

ゲームが終わり、村の男たちは王の前にひざまずき、納税の免除を懇願する。
王は無理だと言うが、ラッセルがクリケットで勝てば免除すると言う。さらに今年だけでなく3年間の納税も免除されるという。しかし、負けた場合、納税は通常の3倍になるという。
返答を求められたブーバンは、その条件で試合を受け入れる。
試合は3ヶ月後と決まる。エリザベスは不公平だとラッセルに伝えるが、人生もまたそうだなと返事をする。

村の男たちににらまれる。ブーバンはそこでこれはチャンスだと熱弁し村人みんなを納得させようとするが失敗する。村長はまた王に助けを求めに行く事にする。
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その夜、ブーバンは母親に涙を流しながら相談する。その時母親は、ブーバンと父親の姿を重ねる。責任を一人で背負うな、もう寝なさいと言う。
ブーバンがベッドで星を眺めているとガウリが訪ねてくる。ガウリはいつもブーバンの味方であると伝える。

翌日、ブーバンは見よう見まねクリケットのバットを作る。
皆の注目を集め、村の子供にボールを投げさせてバットでそれを打ってみせる。
はじめは失敗するが、なんとか成功し、皆でも出来る事を証明する。
打ったボールは寺院の鐘を打ち、バガのもとへ落ちる。そしてバガも挑戦することになった。すると今度はグランもクリケットの試合に参加すると表明する。
しかしそこで行列が村に入ってきた。皆今回のクリケットの賭けに怒りブーバンを探していた。そこでみんなで王に会いにいき賭けを取り消すようにお願いするが、助かる方法はもうゲームを覚えるしかないと言う。

ブーバンと数人でクリケットのゲームを覗き見しに行く。
エリザベスが見つけ、通訳を通してクリケットのゲームを教えようとする。エリザベスは条件が公平じゃないので教えたいと言う。
ブーバンたちはまた明日同じ時間に村の近くで集まる事を約束する。
その晩ブーバンは、スリングショットの名人ゴリを仲間に迎える。
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翌日、ブーバンたちが待機しているとエリザベスが馬車にのってやってくる。
ブーバンがクリケットについて知っている事を言うが、どうやらまったくわかっていないらしい。エリザベスが丁寧に教える。
エリザベスに夢中のブーバンに、ガウリは困惑する。
その日はエリザベスはルールを教えて去り、あとはブーバンたちで練習をはじめる。
練習をしている間にボールはあらぬ方向へ行き、ブーラという男のとこへ行く。
ブーラとゴリはいつも喧嘩している犬猿の仲である。しかしブーバンはある事に気づく。それはブーラがキャッチャーの名手であったという事だ。そこで彼をクリケットのチームの仲間に招待し、ブーラはそれを引き受ける。

そのころラッセル大尉は大佐に呼び出される。クリケットの賭けについてだ。
ラッセルは女王に献上する税金をゲームの賭けで決めることについて怒られる。
もしラッセルが負けた場合は、ラッセルが個人のお金で納税し、アフリカに左遷される事を言渡される。

ラッセルが宮殿に戻ると、部下や周辺の人に怒りをぶつける。
そこには村のアージャンもいた。
アージャンは村に戻るなりブーバンにクリケットに参加することを告げる。
クリケットの練習をしていると、それを遠目で見ている村の男たちは、もしかしたら勝てるかもしれないと思い始める。イスマイールはブーバンの元へ走り仲間にしてくれと頼む。皆快く彼を受け入れた。
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その晩、村では祭りが開かれた。エリザベスも参加した。
インドの神クリシュナの誕生日を祝う祭りである。

宮殿では舞踏会が開かれる。
そして宮殿にある人物が接近する。その人物とは村のラカであった。
ラカは白人女性がブーバンの手助けをしていることを告げ口する。
ラッセルは、ラカをブーバンのチームに入るように言い、自分あの言う事を聞くように命令する。

そしてラッセルはエリザベスを呼び出し、もう村に足を運ばないようにと言う。

その夜、ブーバンたちはその日の練習の反省会をしていた。
ラカが接近し、チームに入れてもらえないかと頼むがブーバンは断る。なぜなら特別なスキルを持っていなかったからだ。チームのメンバーはみな長けた能力がある。
そこでラカは自分が走りの名人であると言う。証明しようとするが、ラカは昔からゲームでズルをすることで有名で皆反対する。しかしブーバンは、ラカはたしかに腕力もありチームに貢献すると見ていた。ラカは仲間入りを果たす。

翌日、エリザベスは宮殿を抜け出す。一人で馬にのって、クリケット専用のボールをブーバンたちにわたす。
練習を始めると、ボールがある人物の足下へいく。そこには見た事もないインド人がたっていた。彼はボールを拾い上げると、何もいわずにボールを投げる。彼はデーヴァという男だ。彼は元イギリス軍に従軍していたが、反イギリス主義者で、イギリスに対抗することがあればなんにでも参加するという。
エリザベスは昨日の件もあり、長居することが出来ないので、ブーバンを呼び出し、もう毎日会う事が出来ないと言い、英語で愛していると告げる。

ブーバンが戻ってくるとガウリはおらず、探しにいく。
ブーバンはガウリが嫉妬していることを察すると、ガウリは怒りその場から逃げようとする。しかしそこでブーバンはガウリが受けた予言の事を言い、ガウリを引き止め、好きだと告げる。

ラカがまたラッセルにエリザベスが会いにきた事を告げ口する。
ラッセルは怒り、エリザベスにイギリスに帰るように言うが反抗する。
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翌日、ラッセルたちはクリケットのゲーム後、打順の発表をする。
一方村でもチームを決めていた。11番目のチームメイトが決まっていないのだ。とりあえず練習を始めていると、ボールがとんだ方向にはカチュラがいた。
ブーバンはカチュラにボールを取ってくれと頼むと、カチュラは自然にボールにスピンをかけて投げることを発見する。
早速ブーバンはその能力を買い、チームに入れようとするが、皆無反応であった。
カチュラはカースト制度の最下層民であり、彼と一緒にプレイすることは出来ないと言う。しかしブーバンは自分たちの運命がかかっているのに、優秀な選手を入れないのはおかしい、とみなを説得する。
皆なんとか納得し、カチュラはチームに入る事になった。カチュラは涙をながす。
そこでイギリス人たちが偵察にくる。

ブーバンたちは練習に励む。
練習は夜まで続く。

そして試合の日が来る。
試合はイギリス勢の先攻で始まる。しかしチームプレイがうまく出来ない。
投手をデーヴァからカチュラに変更するが、カチュラのボールがうまくスピンしない。そこで今度はブーバンが投手になる。
イギリス勢の最初のバッターをアウトにさせることに成功する。次のバッターはラッセルだ。
ゴリが投手になるが、ゴリの特殊の投げ方に審議がかかるが、エリザベスの計らいで許される。
しかしラッセルはゴリの攻略法を見抜く。
ラカは練習通りに上手くプレイしないでいる。チームメイトはそれを
その日のゲームは終了する。
その晩エリザベスはラカがラッセルを訪問するのを目撃し、すぐさま村のみんなに知らせる。
ラカは謝罪するが、村人の怒りは収まらない。ラカは寺院に逃げ篭城する。
ブーバンは皆を落ち着かせ、一人で交渉すると言う。
ラカは泣きながら許しをこう。ラカはガウリの事が好きだったが、ガウリはブーバンが好きであることは明白だったのでそれが許せなかったのだと言う。

ブーバンはチャンスを一度だけ与えるという。
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翌日、ゲームが再開する。
そこでラカは見事なプレイを披露する。
村人勢は喜ぶが、それでもイギリスは相変わらず優勢であった。
バガは相変わらずボールをキャッチが出来ずにいた。

試合は休憩に入る。
イギリス勢が休憩に入っている間、村人勢は危機を感じる。
しかし、試合再開と同時にカチュラのスピン能力が回復している事に気づく。
早速カチュラに投手を変更すると、ハットトリックを決めた。
バガもボールをキャッチできるようになり、試合は新展開を見せる。

いよいよ攻守交代である。
ブーバンとデーヴァは見事なバッティングを見せる。
しかし試合は思うようには進まない。デーヴァはアウトになり、アージャンがバッター席に入る。
アージャンはイギリス人の挑発にのってしまい思うようにバットが出来ずアウトになってしまう。
次はラカである。投手はラッセルの命令通り、わざとデッドボールをあてる。
バッターチェンジし、次のバガは敵討ちとは言わんばかりに見事なバッティングを見せる。
気に食わないイギリス勢はまたもわざとデッドボールを食らわせる。

そしてこの日は終了する。
まだ試合は終了していないとはいえ、結果は絶望的である。
その晩、村ではこの絶望的な状況に嘆き悲しむ。
村の女性たちは寺院に祈りを捧げ始める。そして村全体で神に祈る。
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翌日試合再開。
ブーバンは順調に点数を稼ぐ。カカもそれに合わせるが体力に限界がきていた。
村人勢にはもう良いバッターは残っていない。
足を怪我しているイスマイールに代わる。代走として村の子供のティプが走る事になった。
すると村人勢は順調に点数を稼ぎ、イギリス勢はイライラを隠せない。
ティプのミスでイスマイールはアウトになる。
次はブーラである。バッター向きではないので、ブーラの出番が来ないように進めようとするが、ラッセルはわざとボールを場外にだし、結局ブーラはアウトになってしまう。
最後のバッターは最下民のカチュラである。カチュラは手に障害を持っておりまともにバットもふれない。ボールにふれるのが精一杯である。
しかし着々と点数を稼ぐ村人勢であった。
ついにイギリス勢はブーバンにデッドボールを決めるが、ブーバンはなんとか持ちこたえる。
すべてはカチュラにかかっている。
しかしカチュラは打てない。イギリス勢の勝利かと思いきや、最後の一球がイギリス勢のミスにより無効になる。
これが本当の最後のチャンスである。最後にボールを打つのはブーバンになった。
これまでの記憶が走馬灯のように駆け巡る。
そしてボールを打つブーバン。彼の打ったフライを簡単にキャッチするラッセル。
ラッセルの勝利かと思いきや、足下を見ると彼は場外でボールをキャッチしていた。これはつまり村人勢の勝利である。

喜ぶ村人たち。エリザベスはブーバンに近寄ろうとするが、ブーバンとガウリを見てやめる。ラッセルは怒り狂い物にあたる。

そこで雷が鳴り始め大雨が降る。みな狂喜乱舞する。

チャンパネールからイギリスの野営は撤退することになった。
撤退するイギリス軍の行列を見つめる村人たち。ブーバンたちの前で馬車が止まり、エリザベスが皆に挨拶をする。ブーバンはエリザベスに感謝をする。

ラッセルは納税とアフリカへの左遷が決まり、エリアベスはブーバンを思い続け生涯結婚することはなかった。
ブーバンとガウリは盛大に結婚式を上げた。
歴史的大勝利をおさめたブーバンだったが、その名が歴史を刻むことはなかった。

  • 監督:アシュトーシュ・ゴーワリケール
  • 脚本:アシュトーシュ・ゴーワリケール
  • 撮影:アニル・メータ
  • 編集:バール・サルージャ
  • 音楽:A・R・ラーマン
  • 製作:アーミル・カーン、マンスール・カーン
  • 製作会社:アーミル・カーン・プロダクション
  • 製作年:2001年
  • 上映時間:224分
  • 出演:アーミル・カーン、グレイシー・シン、ラニ・ムケルジ、レイチェル・シェリー、ポール・ブラックソーン

COMMENT

成功を確信していたが、製作不可能だった224分

224分ととてつもなく長い映画だが、監督は成功を確信していたとインタビューに答えている。実際この映画はタイムズ紙やエンパイア紙でも素晴らしい映画として評価されている。インタビューによると、よくあるインド映画とはかけ離れていて、監督自身この映画を製作するにあたって最初は不可能と判断していたという。ロマンスも残酷さもなく、クリケットにいたっては時代遅れのようなものであった。幸運にも主演のアーミル・カーンがプロデューサーとなってくれた。脚本に興味を持ってくれた他のプロデューサーたちはやたらと制作費削減にうるさく、カーンなしではこの映画は出来なかった。ある有名プロデューサーは、クリケットの試合を主人公のブーバンがイギリス大尉を殺害して終わらせたらプロデュースすると言ったという。

ちなみにクリケットというスポーツは、試合の形式がいくつかあり、今回は19世紀という設定もあり、伝統的な試合形式なっているが故に試合は1日では終わらなかった。現代ではイニングに制限があり長くても1日で試合は終了する。劇中の試合中のティータイムも正式なルールにのっている休憩時間である。とてもイギリスらしい紳士の国のスポーツである。

MAIN ARTICLE

Killer of Sheep

スラム街に暮らす黒人たちの暮らしを鮮やかに描き、望まれながらも長らく劇場公開されなかった、黒人監督チャールズ・バーネットによる幻の傑作。 1970年代中頃、ロサンゼルスにあるワッツ地区。黒人たちが住むそのスラム街で、スタンは妻と息子、娘の4人で暮らしている。スタンは羊などの屠処理の仕事をし、一家は裕福ではなくても、それほど貧しくはない生活を送っていた。しかし仕事に励むなかで、日に日にスタンの精神は暗く落ち込み、眠れない日を送るなかで妻への愛情を表すこともしなくなっていた。 子供たちが無邪気に遊びまわっている街は、一方で物騒な犯罪が起き、スタンの周りの知人友人にも小さなトラブルは絶えない。 そんななか、家の車が故障したため知人からエンジンを買おうと出掛けるスタン。しかしエンジンを手に入れたスタンは、その直後思わぬ事態に見舞われるのであった……。

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