Gucchi's Free School

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Tiny Furniture

2010年代~, コメディ, ドラマ

監督:レナ・ダナム / 上映時間:99分

オーラは大学卒業後、彼氏と別れて実家に帰ってくる。進路の決まっていない彼女は成功した芸術家の母と高校生の妹に囲まれ、家に居場所がない。そんななかパーティーでジェドという男と知り合う。彼はネットに自作動画を投稿しており、同じく動画を作っていたオーラも知っているちょっとした有名人だった。彼はNYに2週間滞在するらしく、母妹が大学見学に行っていて不在のオーラの家に泊まることになる。しかし彼はオーラに気がある訳ではなく、オーラとセックスすることもない。一方で彼女はアルバイト先でキースという男とも出会う。オーラは彼とデートの約束をするもすっぽかされる。さらに母にジェドを泊めていたことで怒られると、日頃の鬱憤も重なり母と喧嘩になってしまう。オーラは進路を見つけるためにも自作動画をギャラリーで公開する。その会場でキースに会った彼女は彼とセックスしてしまう。家に帰り胸の内を母に話し二人は和解することになる。

詳しいあらすじ

24歳のオーラはオハイオの大学を卒業し、彼氏のオーウェンとも別れてニューヨークの実家にハムスターを連れて戻ってくる。母親のシリーは写真家で家にはスタジオもあり、妹のナディーンは高校生で母親の写真のモデルも務めている。オーラが家に着くなり、オーラとナディーンは部屋の取り合いになり、また妹はオーラが彼氏オーウェンと別れたことをいじり、険悪なムードに。さらに妹はオーラに電球の取り換えをするように言う。オーラが電球を取りに行くと、たまたま母親の昔の日記を見つけてしまう。当時の年齢は今のオーラと同じくらいで、芸術家としてやっていくことへの不安と決意が書かれていた。「作品を作ることだけが自分に安心を与えてくれる」。
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オーラは翌日、大学の友達フランキーと電話をする。彼女は図書館で調べ物をしている。オーラは大学での生活が楽しかったので、今も大学にいるフランキーが羨ましいと言う。そして、母親の日記を盗み読みして、母親が昔の彼氏エリックについて、彼と進路の関係で別れなければならないのが辛いと書いているところを読む。フランキーは「オーウェンと別れたことで実はほっとしてるんじゃない?」と同じく卒業後の進路の違いから彼氏と別れたオーラに言う。オーラは淋しいと言うものの、フランキーに会えないことの方がもっと辛いと言って、早くこっちに来てと言う。
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オーラは友人のパーティーに出かける。その友人にオーラはジェドという男性を紹介される。彼はYouTubeに自作の動画をアップしていて、オーラも知っているちょっとした有名人だった。彼は二週間ニューヨークに滞在する予定だと言う。3人で話していると、同じくパーティーに来ていた幼馴染のシャルロットに再会し、オーラはジェドに電話番号を渡してから彼女の家に行く。
シャルロットは、オーラには母親や妹がいるのに自分はひとりであること、コカイン中毒からリハビリをしていたことを話し、会っていなかった時のことを全て打ち明けるのではなく、共通の過去の思い出をもった新たな友達になろうと言う。オーラもそれに同意し、二人でYouTubeにオーラがアップしていた自作の動画を見る。シャルロットはオーラの才能を絶賛してギャラリーに展示すれば?と言うが、オーラは芸術は母親の仕事だからと言って悩んでいる様子を見せる。するとシャルロットは彼女にレストランでのホステスのアルバイトを紹介する。
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翌日、バイトの面接に行ってみると、実際の仕事は「昼間のホステス」=電話の応対だった。働くことが決まった後、カウンターに突っ伏していると副シェフのキースに出会い、冗談交じりに「初対面の印象としては最悪だな」と言われてしまう。帰り道、シャルロットと遭遇し、キースのことを話すとシャルロットは「下ネタ好きで変に文学に詳しいやつ」と言う。彼女に遊びに誘われるもオーラは「家に帰らないと」と言って断る。するとシャルロットは「小さい時から変わってないわね」と答える。
家に帰り、電話応対の仕事を得たことを母親と妹に話すと、妹が詩で賞を獲ったことを母親から聞かされる。バスルームで妹と詩について話をし、自分が書く詩はいつも処女喪失の話だったと言い、「まだ処女なの?」と妹に尋ねるが、妹はそんな質問はやめてと言って答えない。
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夜、オーラは母親の部屋に行き、今度デートに行くジェドがアップしている自作の動画を見る。オーラは好きなようだが、母親は滑稽だねと言ってあまり気に入ってはいない。オーラは母親の部屋に来るといつもここで寝たいと思うことを伝えると、「私がいる時はいいけど、私がいない時はだめ」と言われる。理由を問うと、母親は「招き入れること、入れられることが重要だから」と言う。翌日、オーラが一人で家にいると、近所の女性が子供を預かってくれないかと言ってやってくる。おそらく妹が預かる約束をしたのだが、今はいないので私が預かりますと言って、男の子の面倒をみる。
次の日、ジェドと待ち合わせをするが、彼はお金がないという話をし、結局デートの場所はオーラの自宅になる。ジェドにペットのハムスターを見せようとするも死んでいたので、迷ったあげく冷凍庫に入れてしまう。ジェドは家を褒めるがオーラにとっては母親のもので自分の家ではない。彼女は彼に二週間後には引っ越すつもりであると言う。そして、オーラは、ヒドいところに泊っているというジェドに、母と妹が今週はずっと大学見学に行って家にいないからここに泊ってもいいよと提案する。彼女がシャワーから出ると、彼は勝手に母親の部屋で寝ていた。「明日は仕事で8時に起きる」と言って、オーラは自分の部屋に行く。
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翌朝、まだ寝ているジェドをおいて仕事に出かける。キースは人気テレビ番組司会者のオプラ・ウィンフリーお勧めの本を読んでいる。そして、彼は寝ている従業員の冗談を言ったり、彼女のイヤリングを褒めたりする。
家でシャルロットに入れ墨を彫ってもらいながら、オーラの大学の友達の話になる。シャルロットに「あなたはそんな友達クソだと思わないの?」と言われ、「思わない」と答えると、「それが問題よ。私たちの周りの人はみんなクソなのよ。あなたの母親も。成功しすぎだわ」と言われる。そこにジェドがやって来てシャルロットはあからさまに嫌な顔をする。シャルロットは帰り、ジェドは母の部屋は寒いと言って、妹の部屋で寝る。
翌日、オーラは仕事中にキースとお喋りをしていて「疲れていて、抗うつ剤を飲んだわ」とシャルロット経由で薬を処方箋なしに手に入れられることを言うと、キースから鎮痛剤としてアヘン系の鎮痛剤を入手してくれと頼まれる。
夜、家でジェドとその日に彼があった女の子をネタに冗談を言ってお喋りをする。
翌日、本を持ったキースとポルノビデオの話になる。下の調理場ではオムレツをネタにした下ネタが話されており、お腹すいたというオーラにキースは「下に行けばみんな喜んでオムレツを作るよ」と冗談を言う。
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留守電には母親から資源ごみを出しておいてと言うお願いとフランキーから一緒に住むアパートを見つけたから返事を求める電話が入っているが、オーラは汚れた食器などと共にここ数日ほったらかしにしている。
翌朝、仕事に向かうオーラは明後日には母たちが戻ってくることをジェドに言う。妹の隣でジェドが寝ているのはおかしいから、何か他の宿泊先を一応考えておいてと言うが、ジェドはお母さんに会ってみたいと言って居座る気でいる。
キースとオーラは長距離バスで気づかないうちに妊娠させられていた人の話をしている。オーラは家に彼を誘おうとするものの、彼は「彼女と昼間は一緒にいないといけないから」と言って断るが、彼女とは上手くいっていないことも明かす。オーラも男と住んでいると言いつつも、カジュアルな関係だと付け加える。
家に帰ると母親が帰っていた。母親は返信がないこと、ワインがなくなっていること、自分のベッドで誰かが寝ていたらしいこと、写真のアシスタントが見知らぬ男を見ていたことを挙げ、誰がいたのか問うと、オーラはスタッフが自分の部屋などにも上がって来ていることに不満を述べる。さらに自分は大学を出た直後でつらい時期であり、写真家以外の仕事をしたことのない母親にはつらさが分からないと言って怒る。母親は友達のシャルロットを「悪い影響をあなたに与えている」と言って非難し、オーラはさらに反論する。母親と妹がつるんで自分をのけものにしているとして、「ここは私の家でもあるのよ」とオーラは母親と妹に言う。
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オーラが床で寝ていると母親が仕事で使う家具のミニチュアをもってくる。彼女はオーラに自分も若い時は仕事がなくてつらかったことを言うと、オーラも「さっきは怒ってごめん」と言って謝る。彼女は自分がいま辛い状況であることを言うと、大学卒業以降に唯一できた友達であるジェドを泊めてよいかと尋ねる。はじめは妹のことも考えて渋ったものの、母親は数日ならと認める。
夜、オーラは母親の日記を読んでいる。男のこと、仕事のことなどの悩みが書かれている。マットレスでジェドは寝ているが、あまり寝心地が良くないらしく、結局は彼女のベッドで寝ることになる。彼女は彼のことを気になっている様子だが、ジェドは意に介さない。
翌朝、彼女は仕事に遅れてしまう。落ち込んでいるとキースがやって来て薬の話になり、今度二人で会おうと約束をする。
キースとのデートに着て行く服をシャルロットに選んでもらう。彼女はジェドよりキースの方が断然よいと思っている。そこに母親が入って来て、冷凍庫に入れてあったハムスターの死骸を手に、「ここは私の家なのよ」と言って家のワインを勝手に飲んだシャルロットも含めて二人に忠告する。夜、待ち合わせ場所で待つもののキースは現れない。家に帰り、ジェドに「セカンドチャンスを彼に与えるべきかな」と尋ねると、彼は「セカンドチャンスなんて絶対にやめておけ」と答える。
翌朝、母親はオーラに「あの男を追いだして」と命令する。ジェドは色移りを気にせず洗濯し、オーラとセックスしようともしないからだ。オーラは「彼には行くところがないのよ」と抵抗するが、聞き入れられない。
仕事場ではキースに昨日の言い訳をされる。キースは他で収入を得られるようになったらすぐにでもこの仕事を辞めたいと言うが、オーラは今すぐ辞めると言って、仕事を辞めてしまう。家に帰るとジェド用のマットレスの空気を抜き、クィーンズ地区あたりに滞在するよと言うジェドを玄関で見送る。
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家に戻ると妹が友達を数人呼ぼうとしているらしく、オーラは「いいよ」と言うが、結局、25人も集まってしまう。人数や飲酒や音楽の音量など全てが気に入らない。そこにシャルロットがやってくる。彼女は男の子たちをからかって楽しんでいる。
シャルロットとオーラは妹とキッチンで言い争う。オーラたちは妹だけの家ではないと主張するが妹はみんなの前をズボンも履かずに歩き、ホームレスの男ジェドを泊らせていたオーラを最悪と非難し「姉妹であること自体が嫌」と言う。
その夜、シャルロットにベッドを占領されたオーラは母親の部屋で寝ようとするも寝ぼけたままの母親に断られ、しかもそのベッドには妹が寝ていた。オーラは妹に謝り、妹もそれを受け入れるが、一緒に寝ようとすると嫌がられる。オーラはキッチンに行き、冷凍庫のハムスターをゴミ箱に捨てる。
オーラはフランキーと電話する。フランキーはオーラと共に住むつもりで新たな生活のために引っ越しの準備をし、物件も目星をつけている。しかし、オーラは母親が私を頼り始めていると言って、いま家を出るのには罪悪感を感じると言う。フランキーは「もう少し早く私に言えなかった?」と言う。フランキーは住む自分の家がなくなってしまうのだ。
オーラは母親の日記を読んでいる。人間関係や恋愛、欲しい物、芸術家として踏み出すことへの悩みなどが書かれている。
オーラのビデオ作品がシャルロットの紹介によってギャラリーに展示されることになり、母親に出かけることを伝える。ちょうど妹もパーティーに出かけるところだった。オーラは妹に「あなたが家にいるといいことが起こらないから、出かけてくれると嬉しい」と言う。
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シャルロットとオーラは母親からの電話を無視してギャラリーへと向かう。オーラは自分の作品が受け入れられるか、そしてメールを送っておいたキースが来てくれるか心配している。ギャラリーに着くとフランキーが現れる。フランキーは「私たち話し合うべきことがあるんじゃないの」と言って、オーラが電話にも出ずなんの連絡もなく一緒に住む話を反故にしたことに半ば呆れているが、オーラは「住まないって決めたわけじゃなく、母親が私を必要としている」のと言って謝るような素振りは見せない。そこにシャルロットが戻って来て、キースがいることを伝える。フランキーはこれ以上は無駄だと思ってギャラリーを後にする。
オーラはキースに声をかける。二人は一緒に外に出る。キースは彼女のジェシカと別れたとオーラに言う。二人は道端でクスリを吸いハイになってキスをする。二人は資材のパイプの中でセックスをする。帰り道、彼女は「パイプでセックスしたからと言ってヒドい女だと思わないで」とキースに言う。すると、彼は知り合いらしき人影を見て、慌ててオーラを車の陰に隠す。オーラはその行動にキースへの不信感を抱いた様子。そしてキースはオーラを置いてさっさと帰ってしまう。
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オーラは家に着くと母親に話しかける。会話は背中が痛むと言う話から、オーラがやるべきゴミ出しをやっていなかった話になり、母親は「いつからやると言ったことを後回しにするようになったの」とオーラを責める。オーラは「私もお母さんの気持ちを理解しようとしている」と答えるが、母親はその言葉は聞き飽きたと言う。そして、「ここに好きで住んでるの?」とオーラに言って、自分の部屋に入ってしまう。シャワーを浴びて出てくるとオーラは母親の部屋に向かう。母親の背中をさすり、「なぜ痛いのか分かるわ」と言う。母親は「映画制作が上手くいかなくても、マッサージ師にもなれるわ」と言って、「小さいころはメイクアップアーティストになりたかったの知ってた?」というオーラの言葉にうなずいて答える。オーラは「でも今はマッサージ師にもメイクにもレストランのホステスにもなりたくない、お母さんと同じくらい成功したい」と言う。オーラはさらに日記を読んでしまったことを告白し、そこに登場する男について聞く。母親は、親友の常に喧嘩していた彼氏で、自分と彼女が仲良くなるきっかけを作ったエドやセックス嫌いのフィルの話をする。「男友達、多かったの?」と聞くオーラに「いいえ。今のあなたと同じく、いろいろ試していたのよ」と答える。するとオーラは今日セックスを、最悪な場所、路上のパイプの中でしたことを話し、「もう寝なきゃ」と言うと、母親は「私の隣で寝たい?」とオーラに言う。オーラと母親は一緒に寝始めるが、母親は時計の音が気になり、オーラは時計を別の部屋に持っていく。母親が「まだ聞こえるわ」と言うと、「でも少しだけでしょ」と答える。

  • 監督:レナ・ダナム
  • 脚本:レナ・ダナム
  • 撮影:ジョディ・リー・ライプス
  • 編集:ランス・エドマンズ
  • 音楽:テディ・ブランクス
  • 製作:カイル・マーティン、アリシア・ヴァン・クーヴェリング
  • 配給:IFCフィルムズ
  • 製作年:2010年
  • 上映時間:99分
  • 出演:レナ・ダナム、ローリー・シモンズ、グレイス・ダナム、ジャマイマ・カーク、アレックス・カルポブスキー、デヴィッド・コール、メリット・ウェヴァー

COMMENT

部屋の内と外、住まいを巡る攻防

現在若手の映画監督として注目を集めているレナ・ダナムの監督・脚本・主演作。この作品は若手映画作家の登竜門とも言えるSXSW映画祭でグランプリを獲得している。

大学卒業後の進路の決まっていない宙づりの状態にある女性の何気ない日常を描いているが、時折、部屋の構造を生かして凝った画面を作り出している。というのも、妹との部屋の取り合いや母親の部屋で寝ることへの執着、大学時代の友人とのルームシェアの約束というように、実は住まいそのものが物語上の一つの重要な要素だからだ。また、オーラが窓から中に入るアクションや、子供を預かるシーンに見られるように、部屋の内と外を繋ぐことに意識的な演出が見られる。この映画は一貫して住まいを巡る攻防であり、それを通じて家族や友人との間の軋轢や摩擦を描いているのだ。

ちなみに、母親と妹はダナムの本当の母と妹であり、母親のローリー・シモンズは芸術家で、家もダナム一家の本当の家を使っている。また、プロデューサーの一人、ヴァン・クーヴェリングは、2013年東京国際映画祭映画祭で話題となった、マンブルゴア映画出身のジョー・スワンバーグ監督『ドリンキング・バディーズ』のプロデューサーでもある。


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