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2016年グッチーズが選ぶコメディ映画ベスト6

みなさま、明けましておめでとうございます。本年もよろしくお願い致します。

新年最初の記事は、今後我が校グッチーズの指針となるコメディ映画ベスト6です(中途半端!)。

選出した映画は、海外では2016年にソフト化されて見られるようになった作品です。これらの愛すべきオモシロ映画たちが日本でも公開されますようにと願いを込めて!

※ちなみに今年はコメディ上映会をやりたいなぁ〜と思っております。

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Popstar: Never Stop Never Stopping(Akiva Schaffer、Jorma Taccone,2016)

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コメディ俳優アンディ・サムバーグとアメリカでテレビ番組『サタデー・ナイト・ライブ』の放送作家アキバ・シェイファー、ヨーマ・タッコンの3人で結成されたコメディ・ヒップホップ・グループ「ザ・ロンリー・アイランド」が監督・主演・脚本を務め、ジャド・アパトーが製作した2016年注目度No.1コメディ。

スーパーポップスター、コナー(アンディ・サムバーグ)のドキュメンタリー映画を制作しているという設定だが、シーンとシーンの繋がり、全体構成が妙というよりは、細切りコントの積み重ねといった趣の編集だが、1シーン、1シーンに「コメディ業界は本物のコメディが何かを忘れている」と言わんばかりの下品かつ業界パロディーギャグが横溢、炸裂しており、むしろこの構成は効いている。そしてなにより最高にクールで下らないポップ・ソングが最大の魅力。これぞアメリカン・頭空っぽ・コメディだ(でも実はちょっとホロっとする)!

ほかにも随所にマライア・キャリーなどガチセレブが実名で登場しているのにも注目で、シールが狼に喰われるシーンはぜひ見ていただきたい。

 

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War Dogsトッド・フィリップス,2016)

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ハイカロリー高タンパク高コレステロールな物をたくさん食べてそうな、丸いジョナ・ヒルと、常に若干困り顔のマイルズ・テラー。

この話はイラク戦争時に起きた実話である。若くてやんちゃな2人が退屈なマイアミのビーチから抜け出して、敵国であるはずのアフガニスタン軍へ兵器を輸送しようとする。

なぜ敵国なのに商売に乗ってしまったかというと、戦争ビジネスの隙間産業を見つけてしまったからである。そしてそれがえらい大金になる。齢20代そこそこで、1度の取引で3億ドルだ。

こりゃあ、わたしでも目がくらむ。

テラー扮する主人公デヴィットは可愛らしい彼女が妊娠してしまったりして、もっとまともな仕事につきなさいよ! と心から心配してしまうが、タッグを組む相棒がヒル扮するエフライム。なんだか、とっても心強い。そのお腹でミサイルの1発や2発は跳ね返して守ってくれそうである。

劇中、中国製の弾丸をバレないように偽装するシーンでマリア・カラスのカルメン(オペラ)「ハバネラ」が流れるがここがまた、なんとも優雅で良い。

上記2人の他に重要な人物としてブラッドリー・クーパー(2015年、Gucchi’sの【Premiere Theater Academy (PTA)】参照)が出てくる。かけてる色付きのメガネと、ボソボソと低い小声で話す仕草から怪しさが爆発していて、やっぱり良い。

 

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Grimsby(ルイ・レテリエ,2016)

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イギリスの喜劇俳優、サシャ・バロン・コーエン主演の超絶お馬鹿スパイアクションコメディ。どれくらいお馬鹿かというと、コーエンは本編約80分間のうちほとんど半ケツである。

呑んだくれの中年ノビー(コーエン)は、幼い頃生き別れた弟セバスチャン(マーク・ストロング)と念願の再会を果たすが、弟がMI6のエージェントになっていたことで、世界を救うミッションに巻き込まれていく……。というのが大まかなあらすじだが、そのいちいちにどぎつい下ネタやブラックジョークが散りばめられている。

そんなおバカで笑える本作だが、監督は『トランスポーター』のルイ・レテリエ。そのせいと言えるかはわからないが、時折繰り出されるマーク・ストロング(『キングスマン』)のスパイアクションは意外と本格的。(そういえばマーク・ストロングとJ・ステイサムは髪型が同じだ!)

加えて兄弟の過去には一瞬ホロっとするところもあり、最終的に、なるほど世に言う「○兄弟」とはこのことかと納得する場面もある。(正月早々すみません)

ちなみに上記の『Popstar: Never Stop Never Stopping』と同じように本作にもダニエル・ラドクリフやドナルド・トランプなどそうそうたる実在のキャラクターが登場するが、こちらは本人たちとは一切関係ない。そしてストーリーともほとんど関連がない。

多少乱暴すぎる内容と味付けではあるが、パワフルなコメディが観たい人にはおすすめの一作。

 

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Central Intelligence(ローソン・マーシャル・サーバー,2016)

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『ワイルド・スピード』シリーズなどでもおなじみ、俺たちのロック様ことドウェイン・ジョンソン主演のスパイ・コメディ。

高校時代を百貫デブのいじめられっ子として過ごし、辛酸を嘗め尽くしたボブ(ロック様)は、卒業後に一念発起してライザップ。現在はCIAのエージェントとして働いている。そんな彼が巨大な陰謀を暴くため、助けを求めたのが高校時代に”ゴールデン・ジェット”の異名を取った人気者、ケルヴィン(ケヴィン・ハート)だった。学園のアイドルだったケルヴィンは、その後はそれなりに平凡な人生を歩み、今では会計士として退屈な日常に甘んじていたのだが…

『バッドボーイズ』や『ラッシュアワー』を彷彿とさせるアートワークからヌケの良いバディアクションを期待してしまうところだが、蓋を開けてみればこれは高校のキャンパスに忘れてきたサムシングをいい歳こいた中年男たちがゲットバックする物語であり、「同窓会の案内状 欠席に丸をつけた(©︎槇原敬之)」二人が勇気を出して昔日の面影を乗り越えるちょっとイイ話なのであった。最悪の高校生活を送ったボブのフェイバリット・ムービーが『すてきな片想い』だったり、ラストシーンは同窓会プロムパーティが舞台だったりと、意外と学園映画偏差値が高いのも侮れない。

裏を返せば本筋のスパイ映画の部分ではめぼしい敵が皆無で、ロック様のフィジカルが十分に発揮される場面が少ないのが残念なのだが、そこは「最大の敵は過去の自分」というテーマで割り切って鑑賞するのが吉。『スター・ウォーズ 特別篇』のフルCGジャバ・ザ・ハットみたいだった自分と戦うため、ロック様が一世一代の裸踊りを披露する衝撃のラスト10分を見逃すな。

 

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Masterminds(ジャレッド・ヘス,2016)

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結婚式前日に友人たちにこっそり強烈ドラッグを飲ませる、とんでもなく迷惑な精神不安定太っちょを演じたり(『ハング・オーバー!消えた花ムコと史上最悪の二日酔い』)、ロバート・ダウニー・Jrに嫁の出産に絶対立ち会わせまいとばかりにドジっ子ぶりを発揮してみんなをイラッとさせた(『デュー・デート 出産まであと5日!史上最悪のアメリカ横断』)、巻き込み型トラブルメーカーのザック・ガリフィアナキス。そんな彼が今回は実際の事件を基にした強盗事件に巻きこまれる、とあって気にならない訳がない。そのうえ監督は『ナポレオン・ダイナマイト』のジャレッド・ヘス、キャスト陣も大好物!!

警備会社に勤めるディビット(ザック・ガリフィアナキス)は元同僚のケリー(クリステン・ウィグ)にそそのかされ、金庫から1700万ドルの強奪に成功しメキシコへ1人逃亡。しかしその裏には”Master minds”(首謀者)のスティーブ(オーウェン・ウィルソン)が――。後からケリーが来る事を信じて健気に待つディビットだが、スティーブが雇った殺し屋や警察が迫ってくる。

なけなしの逃亡資金をぎゅうぎゅうにパンツに詰め込み、キューティクルがまぶしいおかっぱ頭をフリフリしながらメキシコへ逃亡する姿は、まるでザックの「はじめてのおつかい」を見ているようでキュン。豪華コメディ俳優盛りだくさんでお腹いっぱいの中、ジェイソン・サダイキスが演じる情に厚い殺し屋や、主人公の婚約者を演じる不気味なケイト・マッキノンもシュールに良い味出してます!

 

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Love&Friendship(ホイット・スティルマン,2016)

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ジェーン・オースティン原作の短編小説『レイディ・スーザン』の映画化作品で、18世紀末の英国の社交界が舞台。35歳の美人未亡人が、16歳の娘の結婚相手と自身の再婚相手を探すのに奮闘するコメディ作品だ。主人公の未亡人役は『アンダーワールド』シリーズ主演でおなじみのケイト・ベッキンセール。やっぱり美人だー!!

この作品は全体を通して、英国時代劇ならではのお堅いセリフ回しが使われている。しかし、話の内容は全く真面目でも高尚でもない。「お金持ちと結婚したい」「あの男はだめ」「あ、イケメンだ!」。ただの男漁りである。かなりグイグイと結婚相手を探しつつ上流階級で強かに生き抜こうとしている。あっぱれだ。

主人公が気の強く毒のあるタイプなのに対し、ちょっと抜けてるお人好しお金持ちキャラ(ジェームズ・マーティン)が場を和ませてくれるなど、登場人物のバランスも上手くとれている。個人的に癒しキャラの彼が一番好きだ。

そしてこの映画の見所は、なんといっても女性の衣装と部屋のセットが細部まで豪華に作り上げられていることだろう。特に女性は見ているだけで楽しくなってくるかもしれない。また劇中に流れる音楽はピアノとバイオリンが主旋律になっており、昼下がりの喫茶店に流れているような上品さを感じる。

主人公がいい相手を見つけることができるのか、皆さんもぜひ見届けてほしい。

以上、6作品を我が校グッチーズの道徳の授業中に時々見るビデオのやつと公認させていただきます。

そして今年も未公開映画の紹介、さらには上映会など目指して頑張っていきたいと思います。

もし、この未公開コメディ映画が見たい! などご要望ありましたらお気軽にご連絡ください。

本年もどうぞよろしくお願い致します。

 

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Killer of Sheep

スラム街に暮らす黒人たちの暮らしを鮮やかに描き、望まれながらも長らく劇場公開されなかった、黒人監督チャールズ・バーネットによる幻の傑作。 1970年代中頃、ロサンゼルスにあるワッツ地区。黒人たちが住むそのスラム街で、スタンは妻と息子、娘の4人で暮らしている。スタンは羊などの屠処理の仕事をし、一家は裕福ではなくても、それほど貧しくはない生活を送っていた。しかし仕事に励むなかで、日に日にスタンの精神は暗く落ち込み、眠れない日を送るなかで妻への愛情を表すこともしなくなっていた。 子供たちが無邪気に遊びまわっている街は、一方で物騒な犯罪が起き、スタンの周りの知人友人にも小さなトラブルは絶えない。 そんななか、家の車が故障したため知人からエンジンを買おうと出掛けるスタン。しかしエンジンを手に入れたスタンは、その直後思わぬ事態に見舞われるのであった……。

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