『キングス・オブ・サマー』加藤るみさんトークショー採録
現在アップリンク渋谷さんで絶賛ロードショー中の『キングス・オブ・サマー』ですが、9/30に京都みなみ会館さんでオールナイト上映&10/10からロードショースタートを祝いまして、以前アップリンク渋谷さんにて行われた加藤るみさん(タレント)のトークショー採録を掲載致します!
夏、17才、ニック・ロビンソンについて
降矢「本日はお越しいただきありがとうございます。『キングス・オブ・サマー』を配給しているグッチーズ・フリースクールの降矢です。こちらは樋口です」
樋口「よろしくお願いします」
降矢「今日はタレントの加藤るみさんをお呼びして、『キングス・オブ・サマー』のあれやこれやをお話しさせていただければなと思っております。それでは、加藤るみさんよろしくお願いします。みなさん、拍手でお迎えください」
加藤「よろしくお願します」
降矢「加藤さんに、SNSでこの映画について触れていただいていたことが、オファーしたきっかけなんですね。加藤さんがこの映画を知ったきっかけとかだったり、気になった点があればまず話していただき、感想を聞かせていただければと思います」
加藤「最初知ったきっかけというのが、ちょっと前なんですけど、『エブリシング』って映画でニック・ロビンソンを知って、なんだこのかわいい子はと思ったんですね。私結構若手俳優を深掘りするのが好きで、色々イケメンの子達を常々チェックしているんです。それでニック・ロビンソンがひっかかって、気になってたら、この作品に出てるということで。青春映画も好きで、夏、17才、ああこれはもうこれは観るしかないなあと思いまして、そこで調べて観ようと思ったのがきっかけですね」
降矢「ありがとうございます。『エブリシング』の前からニック・ロビンソンのことをご存知だったわけではない?」
加藤「チェックしてた作品に彼が出てたことはあったんですけど、そこまで名前を調べるほどではっていう感じだったんです。『エブリシング』でたまたま、ドはまりというか」
降矢「実は『エブリシング』が公開するっていう情報は、アップリンクさんで『キングス・オブ・サマー』の公開が決まったあとに我々のところには入ってきていました。すごくタイミングが良かったなとは思ってはいますね」
加藤「あと監督が『キングコング: 髑髏島の巨神』(以下、『キングコング』)の監督じゃないですか。全くテイストが違くて、ほんとにザ・大作映画と、ミニシアターで上映するような感じのビジュアルって感じですよね。本当にこの監督が青春映画、少年、夏というテーマで、どういう映画を作るんだろうなっていうのがすごい気になったっていうのはありますね。ポスターもビジュアル的にもおしゃれっていうのもありあますし」
降矢「そうですね。『キングコング』はマニアックな感じで」
加藤「『キングコング』のポスターからは想像もできないテイストなので。『キングス・オブ・サマー』がアメリカで上映されたのは2013年でしたっけ?」
降矢「はい、そうですね」
加藤「2013年なので、ニック・ロビンソンが10代のときですよね。どうでもいい情報なんですけど、私とニック・ロビンソンは同じ年なんですよ。私今、22才なんですけど、1995年の3月生まれで、彼も1995年の3月生まれという。そんな共通点があって、親近感があるんですけど、10代のニック・ロビンソンが見れるっていうこともレアというか、ここでしか観れないというのもやっぱりレアだなあと思っています」
降矢「本作はニック・ロビンソンが初主演なんですが、この映画を観て『ジュラシック・ワールド』のお兄ちゃん役に抜擢されて、という感じでニック・ロビンソンの出世作という形にもなってます」
加藤「今観ていただいて思ったと思うんですけど、少年の繊細さというか、17才の男の子の親への反抗心っていうのがあったりとか、女の子に恋をしたりとか、17才特有の繊細さっていうのを、ニック・ロビンソンはすごい表現できてたなと、とても素晴らしいなと思いました。『エブリシング』のニック・ロビンソンはロン毛で、大人に成長しているので、ちょっと男って感じがするんですよね。もう成長しちゃったんだなっていう」
降矢「もう親の目で見てますよね(笑)」
加藤「この作品での彼は少年らしさっていうか、ウブな感じが残っているので、そこも違いとしてはいいいなって」
樋口「加藤さん的にはどちらがお好きですか?」
加藤「断然こちらですね」
降矢「ありがとうございます! その繊細さとかっていうのは、青春映画の大事な要素ですよね。この時期でしか撮れない俳優の魅力みたいなものを撮るっていうのが青春映画のキーポイントだと思うんですけど、それが上手く撮れてたっていうのを感じていただけたということですね」
21世紀版『スタンド・バイ・ミー』
加藤「1番好きなシーンがあって、喧嘩しちゃって終わるじゃないですか、あんまり出しちゃいけないんですけど、中指を立てて、車の中でアイコンタクトをするシーン」
樋口「最後のシーンですね」
加藤「男の子って、喧嘩しても、ああ、仲直りだねって綺麗にまとめるのではなくて、ファックポーズで仲直りっていうか、そこが良いですよね。それで仲直りできる友情って17才だからっていうのもあるなって思うんですよね。綺麗に仲直りするのではなく、泥臭く、照れつつ」
降矢「中指を立てるっていうので、一応和解の印になるっていうのは、ちょっとアメリカ的っていうか、あのポージングがね、なかなかアメリカ人しかできないですよね」
加藤「大自然もすごく良かったですね。秘密基地をつくるっていうのも、一つの要素としてすごくわくわくするなあっていうのは感じましたね」
降矢「ちょっと事前打ち合わせのときに、秘密基地にあこがれがあったっていう話を聞いて、女性の方でもそういうのがあるんだなあっていうのはちょっと驚きました。実際あんなに立派なものでなくても、秘密基地的なものをつくった、つくろうと思ったことはあるんですか?」
加藤「あります。私出身が岐阜なんですけれども、すごい山奥で育って、家の裏手の山にドラム缶のでっかいバージョンっていうか、穴が開いたドラム缶っていうのがあって、そこに入って遊んだりしてたので、昔の記憶を思い出すように観てました。ちっちゃい頃は自分一人だけになれる場所がほしいじゃないですか。それで家出して、自分だけで生きてやるっていう気持ちになったこともあったなあっていう、しみじみとした気持ちで観たっていうのもありましたね」
降矢「今の話を聞いてちょっと思い出したんですけど、この映画が青春映画で、森で自給自足するって話ですが、『監督の目線はノスタルジックじゃないと、ほんとに少年の目線じゃないと撮れない映画だ。今この瞬間を楽しむというのが好感を持てる』っていう意見があったのを思い出しました」
加藤「21世紀版『スタンド・バイ・ミー』だなっていうのは、すごく思いました。洗練されていて、泥臭さもありつつ、ミュージックビデオみたいなおしゃれ感っていうか、BGMもすごい巧みに使っているので、そういうのもいいなって思いました」
降矢「すごい印象的にスローモーションを用いてましたし、音楽もすごい独特で、実はこの監督、『キングコング』も撮ったんですけど、『メタルギアソリッド』の監督にも一応名前が挙がっている。アクションシーンを観ると、『メタルギアソリッド』も観たいなあって思ったりします」
加藤「男の夢とかロマンとかを表現するのが上手いんじゃないかなあって思います。『キングコング』もそうですけど、『キングス・オブ・サマー』と繋がってるのかなあっていうのは思いますね」
パトリック/ビアジオ/父親について
樋口「今男の子の視点から話していただいたんですけど、1人女の子いましたよね。ちょっと仲を乱しちゃうっていう、一人で来いって言ってるのに友達連れてきちゃうっていう、話が違うだろって感じ。あと、絶対男の子三人いるのに一人連れ出しちゃだめでしょっていう、ほんとにあれが共同生活の終わるきっかけになりましたよね」
加藤「そうですね。あの瞬間から展開変わりましたよね。ああ!って思ったのは、ジョーが自分が選ばれるって顔をするじゃないですか、寝てるときに。自分に来る、自分に来る、自分じゃなかったあっていう。あの跨いで行かれちゃったっていう、あの虚しさが、あのどうしようもならない気持ちが……」
降矢「朝が明けるまで起きてましたね(笑)」
加藤「パトリック的にも友達が好きってことは気付いてるし、自分に来ちゃったというのは凄すごい申し訳なさもあるじゃないですか。あれがまさに10代の青春っていうか、友達の好きな子を好きになっちゃったっていうか」
樋口「パトリックもかなり葛藤っていうか、あれでもじんましんが出てますよね(笑)もう平穏な場所がないっていう。パトリックのキャラクターは本来パワー系にも見えるのに、バイオリン弾き始めちゃうっていう、一番繊細かもしれないですよね。まあビアジオ、あの訳の分からない奴がいて、キャラクターもいわゆるオーソドックスではないですよね」
加藤「ちょっとひねりがありますよね。あの三人の関係が良かったなっていうのもあります。ビアジオって、ああいう子っていません?って私思ったんですよ。わけわかんないけど、君たち夏の間に仲良くなってたんだっていう、すごい男子の中ではあるあるだと思うんですけど。私は女子なので、そういう男子の様を見てて思ったんですけど、あれ、何で君たち仲良かったのっていう、何故かついてきてる奴っていうのも、あるあるだなあと感じました」
樋口「もう知らない間にいたっていうね」
加藤「私的には、ビアジオのサイドストーリーが観たいぐらいビアジオが気に入っちゃったというか、好きなキャラクターになりましたね」
降矢「ビアジオは相当なトリックスターというか、要所要所で笑いも提供してくれてるけど、いまいち使えるのか使えないのか分からない(笑)」
樋口「獲物獲るのも得意じゃないしね、彼(笑)」
加藤「でも、彼の国の言語で友達について語ってるところがあったじゃないですか」
降矢「父親とですね」
加藤「そういうのを見るとビアジオ~!ってなって。ほんとに最後の最後、エンディングでも、ビアジオの映像が流れてたじゃないですか。監督的にはビアジオのキャラクターを気に入っているんだなと」
降矢「完全に推してますよね」
加藤「ビシビシと伝わってきますよね」
降矢「おいしい役というか、そういう感じにはなってますよね。他にこのシーンが好きだ、というのはありますか?」
加藤「最初の方なんですけど、いじめられっ子にTシャツ脱がされちゃって、代わりで女の子にピチピチのTシャツを着させられるニック・ロビンソンっていう。あれはこの作品でしか観れないというか」
降矢「今後ないかもね。あの華奢な感じとあの恥ずかしい感じの」
加藤「あのピチピチの感じの、あの真っ黄色の」
樋口「女の子も誰も似合わないっていう」
加藤「もっと違うTシャツあっただろっていう(笑)」
樋口「それを加藤さんが見たらかわいいになる……?」
加藤「かわいいですね!」
樋口「でもあれを、実際にデートに着てこられたら?」
加藤「ドン引きますけどね、最初は。どうしたってなりますけど。でもあれはすごいかわいいなって思いました。他のシーンでは、太鼓のシーンがすごく印象的でした。あれ何回、二回ぐらいあったかな?」
降矢「最初にちょっとあって、中盤にもありますよね」
加藤「あの音が、サウンドがBGMだけじゃなくて、自然の音を使って奏でてるっていうのもいいなっていうのはすごく感じました」
樋口「わけわかんないですよね。どこまで伸びてるのか、なんなのかも。あのシーンで三人の関係性も見えますよね」
加藤「ビアジオが乗って踊って、だいぶキレキレのダンスを踊っているという……」
降矢「音楽でいうと、ちょっとゲーム音楽っぽい、ピコピコピコピコ、心情に合ってるのか合ってないのか微妙なところはあったと思いますが、印象的ですよね」
樋口「監督とかがね、『ストリートファイター2』とか、そういうほんとにレトロな感じのゲームがファンだったらしいですよ。ゲームが実際に画面に映ってましたけど。親をブランカに例えるという」
加藤「親も親ですよね。どちらの親もクセがある。あの思春期の時期に19時半には寝なきゃダメだからということをケータイ取って、わざわざ女の子に伝える親!」
一同「嫌な親ですよね~」
父親との和解の物語
樋口「実際友情の物語でもあったと思うんですけど、あともう一つは父親との和解の物語だなあと思っています。ニック・ロビンソンとかの成長っていうのもあると思うんですけど、ニック・オファーマン、父親の成長の物語でも実はあったのかなと」
加藤「ニック・オファーマンも後半になるにつれて変化が見られるますよね。ニック・ロビンソンが戻って来たときに、ああ、怒らないんだっていう、激しく怒るシーンはなかったと思うんですけど、そこで親の成長も見れて、親も子どもの成長を見て成長していけるんだなっていうのを感じ取れていいなって思いました」
降矢「ニック・ロビンソンがネズミかなんかを食べるシーンと、ニック・オファーマンがワンタンを食べるシーンとが明らかに重ね合わせていると思ったんですけど、加藤さんの言う通り、親子で成長していますよね。汚れて帰って来たニック・ロビンソンに怒ったりせずに、洗顔用具をあげるっていう再会のシーンが良いですよね」
加藤「10代の頃って、すごい親に反抗心ってあると思うんですけど、その何とも言えない気持ちを表してくれたなあって思いました、この『キングス・オブ・サマー』は。パトリックの親も親でかなりパンチがあったというか。あれが一番きついっていう」
樋口「常に子どもをちょっとおちょくっているという。ビキニの女の子がいるとか」
加藤「そりゃじんましん出ちゃうわっていう(笑)」
樋口「自分の服着ただけなのにね。用意されてない服を着ただけで怒られる。野菜スープを持って行きなさいとかはリアルで、日本人でもありそうな。どこも一緒なんですね」
加藤「もってけもってけっていう」
樋口「そんなの食べないよみたいな。ほんとにいいからっていう」
加藤「恥ずかしいっていうのはありますよね。親に対する恥ずかしさと上手くありがとうって言えないような気持ちと重なるなっていうのはありますよね」
樋口「かといって自分たちが生活を始めたときに満足に食事も手に入らないっていう、その辺の難しさはありますよね」
降矢「森での冒険って、ちょっとファンタジックな面はあると思うんですけど、そこで食料が手に入らないときに、ちょっと森から出たとこにちょうどファーストフード店があり、そこで食料を調達してしまうっていう。そのファンタジーの部分とリアリティーの部分っていうのが上手く描かれていたなっていうのもあって、こういう部分も現代の青春映画かなって思います。さきほど、21世紀版『スタンド・バイ・ミー』って言っていただきましたけど、そういうのもあるのかな」
ティーンエイジと夏の尊さ
加藤「全部自分たちでは補えないっていう、自分たちだけでは生きていけないっていう苦しさが垣間見えるシーンがあって、それはやっぱり10代の男の子だから感じることがシーンとして描かれているのかなっていうのは感じました。女の視点から見てみると、10代の男の子の夏って、尊いものなんだねってすごい思うんですよね」
樋口「それはどういう点でですか?」
加藤「女の子とは違って、男の子は自分たちで生きていくぞっていう気持ちが、どんどん大人になるにつれて強くなっていくっていうか、そういう気持ちと自立しなきゃっていう気持ちが強いと思うんですよね」
樋口「セリフでも、通過儀礼だっていうのを言ってたりっていうのはありますよね」
加藤「女の子の友情って、絶対ああいう形ではないんですよね。出てきた女の子たちもそうだったと思うんですけど、三人よりかは四人みたいな」
樋口「三人だと一人いなくなったときに悪口になるみたいな」
加藤「そうなんですよ。ちょっとネチネチしたものを感じられるところはあると思うんですけど、男ならではの友情というか、爽やかさっていうのがあの三人にはあったなって思います。爽やかな友情が尊いなっていうのはありました」
樋口「パっと図面描いて行っちゃうっていう勢いみたいな。あの図面であの建物は絶対できないでしょっていう。あれ作れるなら最初の鳥小屋もっと上手くいってただろっていう。たぶんね、反抗心が生んだっていうのがあるんでしょうね」
加藤「お父さんが俺が限界だって言って、僕も限界だっていう、あそこで火がついたんでしょうね」
降矢「学校的なもの、権威的なものからの宿題にはぜんぜん興味がないけど、そこに反抗するときに滅茶苦茶力が出ると解釈すれば、あの建物はできますよね」
加藤「あの建物、絶対どっかからぱくってきただろうっていうものも混ざってましたよね」
樋口「トイレのドアとか完全に工事現場ですよね。でも、滑り台があったりとか、ただの住むだけの家じゃないっていうのは感じましたよね。バスケットゴールがあったりとか、あの年代の男の子の遊び心が詰まってますよね。やっぱりあれは、憧れますよ」
降矢「作ってる最中もずっと遊んでましたもんね」
加藤「みんなで遊びながら、でも楽しくつくるっていうのも良いなって思いました」
降矢「それもやりたいことの中に含まれてたんでしょうね。反抗っていうのが、反発だけじゃなくて、イコール楽しさっていうか、青春の輝きになってるっていうのが、この映画の一つの特徴かなって思います」
加藤「ビアジオが怪我するシーンっていうのも私的には印象的で、蛇に噛まれて泡吹いて、あそこですべてが見えた気がして。お父さんも女の子もジョーもみんなで団結して、ビアジオ助けに行くじゃないですか。あんなにケンカしたたのに。あそこで一気に集結して病院に向かって」
樋口「ジョーもあそこであっさり森の家を捨てるという」
加藤「ですよね。やっぱりビアジオとジョーの間にも友情が見えましたし、ジョーと父親の間にも、親子の愛というか、絆っていうのも見えましたし、女の子ともまあ友情なのか愛なのかっていう、微妙な友達以上恋人未満っていう形の絆が見えたなっていうのはありました」
降矢「ビアジオの噛まれるシーンでいうと、さっきファンタジーとリアリスティックのバランスっていう話をさしていただきましたけど、脚がパンパンに膨れあがったり、吐いちゃって、予想以上にショッキングなシーンではあったと思うんですけど、そのファンタジーみたいな楽しい感じと厳しさみたいなのが画面に出てきて最後締めてくれたなみたいな印象は持っていますね」
加藤「夏の青春映画って危険がつくものだなっていうのはすごく思いますね。『スタンド・バイ・ミー』でもヒルが出てきたり、青春映画って誰かが怪我をしたりとか、病気をしたりとか、誰かが欠けちゃうんだなっていうのはすごく思います。そういう青春映画あるあるっていううのも詰まってたなって思います」
降矢「最後ウサギを狩って、捌くところまですごいしっかりと見せていくみたいな、そのリアルは必要なのかみたいなところとか、そう簡単には一人で暮らしていけない厳しさみたいなみたいなのが実はしっかり描かれていたのかなあなんて思ったりはしますけれども
加藤「ウサギのシーンは私も目を背けたくなるほどリアルで」
樋口「最後はちょっと頭おかしくなってたのかな。精神的にも追い込まれて、それと空腹もっていう」
加藤「ヒゲも生やして」
降矢「どんどんヒゲ生えてきて、最後ヒゲをそるシーンで、ちょっと口ヒゲだけ残しておくという、このひと夏の思い出の……」
加藤「証ですよねもう」
降矢「あのニックくんの年だからこそ、また映えるというか」
加藤「あのニックも最初よりかは最後のほうがたくましくなっているという気がするんですよね。顔つきが。ちょっと大人になって、成長してるって感じがしました。ヒゲもそうですけど、私は表情も全部含めてそう思いました」
樋口「それを経てお父さんと病院でお互いのことも話せるようになってましたよね」
加藤「何かきっかけがないと親と和解できないっていうのは、10代だからこそある気持ちだと思うんですよね。そこがまた、10代の尊さがつまっていると思いながら見ていました」
降矢「最後に女の子とくっつくわけではなく、友達以上恋人未満って言ってくださいましたけど、最後パトリックがやって来て、何も言葉交わさずすれ違って、父親からは彼女がパトリックの彼女なのかって聞かれて、罪な女の子だなって言われるあの感じ」
加藤「アメリカ映画って、そういうところあるじゃないですか。キスで終わらないっていう」
降矢「すごく良い着地点というか、着地してるのかしてないのか分からないみたいな。いわゆるの形ではなく、目に見える結果ではなくて、余韻とその蓄積だけが残るという」
加藤「友達に取られてしまったものは、しょうがないっていう」
樋口「最後中指立ててるシーンでも、パトリックの隣には彼女がちゃんといるんですよね。それでもっていう。実はもうそろそろお時間が来てまして、加藤さんから最後、この映画のことでもいいですし、何かご自身のことでもいいんですけど、何かおっしゃりたいことがあればぜひ」
加藤「私自身のことなんですけど、映画のレビューをTHE ORIVERさんという映画情報サイトで書かせていただいてますので、そちらまだチェックされてない方はチェックしてくださいますとすごく嬉しいです。こちらの作品も近々色々書いていこうかなと思っておりますので」
降矢「今この劇場でもやってる『ありがとう、トニ・エルドマン』っていう映画の記事を書かれていますよね。ぜひチェックお願いします。では本日は、どうもありがとうございました」
監督:ジョーダン・ヴォート=ロバーツ『キングコング:髑髏島の巨神』
脚本:クリス・ギャレッタ
製作:タイラー・デヴィッドソン『テイク・シェルター』、ピーター・サラフ『リトル・ミス・サンシャイン』、ジョン・ホッジェズ
撮影:ロス・リージュ『キングコング:髑髏島の巨神』
音楽:ライアン・ミラー
編集:テレル・ギブソン
制作会社:ビッグ・ビーチ・フィルムズ、ロー・スパーク・フィルムズ
2013年/アメリカ/95分/シネマスコープ
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