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映画『ライトハウス』に寄せて。

正方形の中の暗がりにはおおよそ2人の男しか出てこない。1人は醜い老人で、もう1人もどこか翳りのある若者だ。

この2人しかいないのなら、多分この内のどちらかに何か悪いことが起こるのだろう。

バディとして何かを成し遂げてハッピーエンド!とはいかなさそうだ。

悪いことが起こるのなら早く起きて欲しい。1時間50分もの間、こちらはそれをじっと待つことしかできない。海の景色や人の温かみを味わい感じる余裕などなく、ずっと緊張を強いられるのだ。何かとんでもないことが起きて欲しい、さっさと起きて欲しい、そんな風に思いながら鑑賞した。

海鳥は生かした方が幸せなのか、人魚には惑わされた方が幸せなのか、塔の上にいる方が幸せか、灯りを制す者が幸せか、本当に?

2人に起きて私が見ている悪夢は、どの段階で軌道を変えても同じ結末を迎えるしかない気がする。

 

それらの善悪や上下の関係、光の明暗などを絵の中に盛り込みデザインしました。

2回目の鑑賞の時はまったく逆さまの見方が出来るかもしれません。

 

※試写の機会をいただき、ファンアートを作成いたしました。

 

 

『ライトハウス』は2021年7月9日より全国ロードショーされます!

https://transformer.co.jp/m/thelighthouse/

佐川まりの(グラフィックデザイナー)

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Killer of Sheep

スラム街に暮らす黒人たちの暮らしを鮮やかに描き、望まれながらも長らく劇場公開されなかった、黒人監督チャールズ・バーネットによる幻の傑作。 1970年代中頃、ロサンゼルスにあるワッツ地区。黒人たちが住むそのスラム街で、スタンは妻と息子、娘の4人で暮らしている。スタンは羊などの屠処理の仕事をし、一家は裕福ではなくても、それほど貧しくはない生活を送っていた。しかし仕事に励むなかで、日に日にスタンの精神は暗く落ち込み、眠れない日を送るなかで妻への愛情を表すこともしなくなっていた。 子供たちが無邪気に遊びまわっている街は、一方で物騒な犯罪が起き、スタンの周りの知人友人にも小さなトラブルは絶えない。 そんななか、家の車が故障したため知人からエンジンを買おうと出掛けるスタン。しかしエンジンを手に入れたスタンは、その直後思わぬ事態に見舞われるのであった……。

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