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The Love Trap

1890年代~, コメディ, 恋愛

監督:ウィリアム・ワイラー / 上映時間:(DVD収録分数)71分

ウィリアム・ワイラーによるコメディ。ダンサーのエヴリンは仕事を失い、パーティーでは情婦に間違われ、さらには家を追い出され途方に暮れている。ようやく幸運が巡り、金持ちのピーターと婚約するが、ピーターの叔父はエヴリンのことを情婦と思い込んでいたハリントン判事であった...

詳しいあらすじ

ダンサーのエヴリン・トッド(ローラ・ラ・プラント)は練習中の不手際でクビにされてしまう。クビにされたエヴリンに家賃支払いの催促状まで来ており、途方に暮れてしまう。
そこへ友人のバニーから誘いがあり、ガイ・エモリー(ロバート・エリス)のパーティに行くことになる。そこで家賃ぐらいなら稼げるという。

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パーティにやってきたエヴリンは、そこでハリントン判事(ノーマン・トレヴァ―)と出会う。ハリントン判事はエヴリンに興味が無い。エヴリンは興味を惹こうと様々な形でふざけるが、逆にハリントン判事を不機嫌にしてしまう。そんな中ガイはエヴリンにお金を与えたり、と非常に優しい。そんなガイと踊るエヴリン。だがガイがわざと飲み物でドレスを汚して、エヴリンは彼の部屋まで案内されてしまう。

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早速、部屋のヒーターでドレスを乾かそうとするエヴリン。彼女のためにガイは一旦、部屋を退出したものの、突然部屋に入る。ガイへと視線を向けていたハリントン判事は、部屋の中で下着になったエヴリンと、そこへ入るガイを目撃してしまう。
ガイが突如入ってきたことに驚くエヴリン。ガイはエヴリンが逃げられないようにドレスを外に捨てて、エヴリンを抱こうとする。だが、エヴリンは何とか部屋を抜け出し、パーティの会場から去る。

パーティを抜け出せたエヴリンは、自宅の前に戻る。だが、家賃滞納のせいで自宅の家具は全て道路に放り出されている。自宅にも入れず途方に暮れるエヴリンに、追い討ちをかけるかのように激しい風雨が起こる。何とかしのごうと努力するエヴリンをよそに、目の前をタクシーが通り、エヴリンは泥まみれになる。

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すると、そのタクシーに乗っていたピーター(ニール・ハミルトン)がタクシーを後退させ、エヴリンに駆け寄る。激しい風雨にも関わらず、気丈に振る舞うエヴリンを見て、ピーターはエヴリンを気に入る。
ピーターはエヴリンを乗ってきたタクシーに乗せる。ピーターはどうやら金持ちらしく、さらに3台のタクシーを呼び、エヴリンの家具を積ませる。こうして4台となったタクシーは、ピーターの「僕が言うまで走り続けて。南へ…もっと暖かいし」との指示により南へ向かう。

だがエヴリンとピーターは寝てしまい、朝になる。4台のタクシーの玉突き事故でようやく目が覚める。気づくとタクシーの料金はとてつもない額になっていた。
ピーターの手持ちが少なく、払いきれないと知ったタクシーの運転手達は怒り狂って家具を放り出し始める。そんな時でもタクシーの中でいちゃついていたエヴリンとピーターだったが、荷物が次々と放り出されているのに気付いたピーターは怒り、タクシーを降りて運転手達と喧嘩をし始める。が、多勢に無勢。ピーターはノックアウトされ、エヴリンと共に放り出されてしまった。

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そんな仲の良い二人は婚約を果たし、仲良く一緒に住み始める。
そこへヨーロッパ帰りのピーターの母と妹がやってくる。ピーターとエヴリンは歓迎ずる。だがピーターの母は婚約相手を良家の娘だと思っていたため、エヴリンの出自を知って驚きを隠せない。
そこへピーターの叔父がやってくる。ピーター達は迎え入れるが、エヴリンは驚く。ピーターの叔父はパーティで会った、あのハリントン判事だったのだ。判事もエヴリンに気づき、驚く。

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そんなことは露知らず、ピーターは判事と母、妹を次の日のディナーに招待する。

翌日。ディナーの時間になるが、誰も来ない。いつまで待っても来ないことにピーターは苛立つ。エヴリンは悲しみに暮れている。ピーターが母親の家に電話をかけると、執事は彼女が「病気」だと伝える。
ピーターは母親を心配して、見舞いに向かおうとする。だがエヴリンは悲しみに暮れて、ピーターの母の悪口を言ってしまう。ピーターは怒って、エヴリンを残して、母親の見舞いに向かう。
ピーターが出て行くと、そこへ電話がかかってくる。それはバニーであった。かつての友人からの、懐かしい声で元気になったエヴリンはディナーを変更し、バニーをパーティに誘う。

一方のピーターは母親の家へ向かう。だが居間にいる母親は元気だ。元気なのに来ないことに怒るピーター。ハリントン判事はそんなピーターにエヴリンがガイの情婦だと話す。
信じられないピーターは、ハリントン判事とピーターの母と共に、自宅へ戻る。

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自宅では、エヴリンとバニー達によるパーティが繰り広げられていた。その中にはかつてエヴリンを裸にしようとしたガイもいる。ガイはエヴリンにお祝いを述べにきただけだと説明しようと言い寄る。そこへ、ピーター達がやってくる。
なぜパーティが行われているのかを知らないピーターは驚き、さらにエヴリンがガイといる姿を見てしまう。エヴリンはピーターや、彼の母と喧嘩をしてしまう。ピーターの母はその中で卒倒してしまう。ピーターはエヴリンの寂しさをよそに、母を送るため、出て行く。エヴリンは悲しみに暮れて、部屋にひきこもってしまう。

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エヴリンの友人も帰る中、ハリントン判事だけが家に残る。判事はガイが紳士であり、ガイのパーティではエヴリンがガイを誘惑したと思い込んでいる。判事はエヴリンにピーターと別れるように迫る。
エヴリンは離婚したくないし、同意しなければできるわけがないと言い張る。そんなエヴリンに対し、判事は5万ドルの小切手を渡し、別れさせようとする。いやがるエヴリンに無理矢理お金を渡そうとする。

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どうしても譲らないハリントン判事に、エヴリンは罠をかける。
まず手始めに部屋のドアを閉め、鍵を隠す。離婚に同意したふりをして小切手を受け取り、判事とタバコを吸おうと誘う。そのタバコをつけた火で、判事の上着を焦がす。判事の上着を脱がしたエヴリンはかつてガイが使ったやり方で、ベランダから上着を捨ててしまう。エヴリンも寝巻に着替えて、判事をベッドへ誘おうとする。逃げようとする判事だが、ドアの鍵が開かない。エヴリンは彼をダーリンと呼び始める。
ハリントン判事はエヴリンの美人局、<恋のからくり>に見事ひっかかってしまう。

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そこへピーターが帰ってくる。ベランダに隠れる判事だったが、エヴリンの大げさな仕草によって、あっけなくピーターに見つかる。ピーターは自分の叔父がエヴリンといたことに驚き怒る。判事は必死に何もしてないと言い張るが、エヴリンの策略で、どんどん疑いは深まるばかり。渡した小切手も勘違いされ、判事はとうとう追いつめられる。判事はピーターに追い出されてしまう。

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そしてピーターはエヴリンに謝り、二人は仲直りすることが出来るのであった。

  • 監督:ウィリアム・ワイラー
  • 脚本:ジョン・B・クライマー、クラレンス・マークス(コンティニュイティ)、アルバート・デモンド(タイトル)、エドワード・J・モンターニュ(ストーリー)、クラレンス・トンプソン(会話)
  • 撮影:ギルバート・ワレントン
  • 編集:エドワード・カーティス、ハリー・マーカー
  • 美術:チャールズ・D・ホール
  • 音楽:ジョゼフ・チャルネフスキー
  • 製作:ウィリアム・ワイラー
  • 製作会社:ユニヴァーサル
  • 製作年:1929年
  • 上映時間:(DVD収録分数)71分
  • 出演:ローラ・ラ・プラント、ロバート・エリス、ノーマン・トレヴァ―、ニール・ハミルトン、

COMMENT

サイレント/トーキー過渡期の映画

The Love Trapは日本国内では邦題『恋のからくり』として1929年に公開されているが、DVD化はされていない。この米国版DVDにはさらに1985年に製作されたウィリアム・ワイラーのドキュメンタリーも収録されている。

本作は、既にDVD化されている『砂漠の生霊』(1930)の直前に撮られた作品である。この二つの作品は、サイレント期とトーキー期の過渡期に撮られた。当時はトーキーの設備の備わっていない映画館がまだ残っていた。そのため配給向けにサイレント版とトーキー版の二つのフィルムが作られた。このDVDの前半部がサイレント、後半部がトーキーのパートトーキーである理由はこのためだと考えられる。またガブリエル・ミラーによって編まれた「William Wyler : Interviews」のアーカイヴによれば、本来のサイレント版・トーキー版は共に80分以上の長さであり、この70分版のDVDではいくつかのカットが欠けているという。

ウィリアム・ワイラーは『ローマの休日』(1953)、『おしゃれ泥棒』(1966)とコメディも手がけた監督である。本作では終盤はもちろんのこと暴風雨の中で平然と会話するエヴリンとピーター、あまりにも規律正しい4台のタクシーの行進、と楽しませる要素がふんだんに盛り込まれている。だが、ただただ笑い転げるだけでなく、戦慄させられる場面もある。後半のパーティでピーター達が家にやってきた瞬間を捉えたロングショットがまさにそれであろう。前景と後景でアクションする役者達による緊張感は、撮影監督グレッグ・トーランドと組む以前にワイラーがどのような映像作りを目指していたかを知ることができるだろう。


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