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「文芸部」活動日誌vol.1(映画、音楽、本などのコラム)

どうも初めまして、門谷と言います。コラムやレビューを書くことになりました。たまに更新します。よろしくお願いします。(勝手に「文芸部」作りました。)

今回は映画や音楽の分野で気になる女性を紹介したいと思います。

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「ポーカーフェイス系女子について」

小さい頃からよく愛想がないと言われてた。可愛げがない、とも。今はもう大人なのでそれなりに時と場合に合わせて顔を作れるけど、そう言われる度に「うるせーよ」と心の中で呟いてた。
昔からポーカーフェイスの女の子が無条件に好きだ。ぶっきらぼうで何考えてるのかわからないミステリアスな感じ。誰にも媚びませんよ、わたしは。みたいな。そんなわけで最近気になるポーカーフェイス系女子をご紹介します。

大阪アジアン映画祭で宮崎大祐監督の最新作『TOURISM』を観た。女の子二人のシンガポール旅行記。心を許している友達同士でいる時ってこういう顔するよなぁと思う。お互いがリラックスしてて、無理に合わせることもなくて。sumireの、特に何にも関心がなさそうな涼しげな顔が気になる。気になってずっと見てしまう。(スマホで自撮りするとき、完璧な顔の角度とかわかっててその辺はさすが女子。)二人の、何も強要し合わない関係性がそのまま観客に対しての姿勢のようで、観ていて疲れない。ニーナとsumireの力の抜け具合が劇中のトラップミュージックと合っていて心地よかった。

音楽でもポーカーフェイス系女子はきてる気がする。

例えば韓国のミュージシャン、イ・ラン。彼女の表情もすごくいい。労働者の歌を、私たちが表情を無にしながら孤独を日記に書き綴る歌を、彼女は淡々と歌う。(ライブを二回観たのですが二回とも1曲目からボロ泣きした。。。感情を抑圧して歌われる、生活とか愛とか人生とかって何でこんなぐっとくるんでしょう。)時折突き抜けるようなソプラノで美しい歌声を響かせたかと思うと冗談みたいな皮肉っぽい曲があったり。あくまでも生活者の目線から、自分たちを押さえつける大きな力に屈しない凛とした清々しさが彼女の無表情にはある。「韓国では濃いリップが流行ってる。強いリップ。」とイ・ランはMCで言う。
そんな彼女はマルチクリエイターでもある。映像を作ったりコミックを描いたりエッセイを書いたり。イ・ラン自ら監督したMV『イムジン河』は必見。

そしてロンドンを拠点に活動している多国籍バンド、Superorganism。ゆるくてサイケなメロディーにキュートな歌声で中毒者続出。ボーカルOronoの歌い方を見て欲しい。

あの調子で「生きてる感じがした つまらないgifをベッドで何度も見てた」(”Reflection on the screens”より)なんて詞を歌う。(Oronoは作詞とアートワークも担当している。)18歳の日本人の女の子、ということよりも、クリエイターとしての彼女の才能と、14歳で単身で渡米し、その足でロンドンに行って音楽活動をする、その行動力・スマートさこそが彼女の魅力であり評価される点だ。2018年のガールズヒーローの一人であることは間違いない。

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Killer of Sheep

スラム街に暮らす黒人たちの暮らしを鮮やかに描き、望まれながらも長らく劇場公開されなかった、黒人監督チャールズ・バーネットによる幻の傑作。 1970年代中頃、ロサンゼルスにあるワッツ地区。黒人たちが住むそのスラム街で、スタンは妻と息子、娘の4人で暮らしている。スタンは羊などの屠処理の仕事をし、一家は裕福ではなくても、それほど貧しくはない生活を送っていた。しかし仕事に励むなかで、日に日にスタンの精神は暗く落ち込み、眠れない日を送るなかで妻への愛情を表すこともしなくなっていた。 子供たちが無邪気に遊びまわっている街は、一方で物騒な犯罪が起き、スタンの周りの知人友人にも小さなトラブルは絶えない。 そんななか、家の車が故障したため知人からエンジンを買おうと出掛けるスタン。しかしエンジンを手に入れたスタンは、その直後思わぬ事態に見舞われるのであった……。

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