映画『子供はわかってあげない』に寄せて。
夏休みと聞いて思い浮かぶものは人ぞれぞれに違うだろう。
去年のことを思い出すことも、10年、20年前のことを思い出すこともあるだろう。
とりわけ私たちは、学生時代を思い出すことが多いのではないだろうか。
小学生のころは、自由研究があって、「夏休みの友」とかいう皮肉な名前の4教科ドリルがあったなぁとか。
中学生のころは、全然強くない部活の練習にイヤイヤ行ったり親と一緒にリビングで甲子園見たなぁとか。
高校生のころは、それまでと違ってちょっと恋愛みたいなこともしてたなぁとか。漫画に出てくる高校生みたいなことをしたいと夢見る高校生だったし、自分自身昔に比べたら大人になったもんだなぁって17歳の頃には思っていた。中学の時みたいに寝て食って遊ぶだけの夏とはちょっと違うことをしているのだなと。
日記はつけていなかったので、その日その日に何をしたかは覚えていないが、断片的には思い出せる。
それをまとめて、脚本にして、カメラを担いで役者を雇ったら私の夏休みも映画にできるくらいになるのだろうか。
私だけではない、誰の夏休みも、一編の映画や小説になる素質を持っているように思う。
朔田さんともじ君の間に漂う漫画チックでカオティックな関係の一瞬を切り取り、
カメラマン・芦澤明子さんの長回しテクニックとを合わせて1枚の絵の中に表現しました。
※試写の機会をいただき、ファンアートを作成いたしました。
『子供はわかってあげない 』は2021年8月20日より全国ロードショーされます!
佐川まりの(グラフィックデザイナー)
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