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『クリシャ』公開延期のお知らせ

7月17日(金)よりアップリンク渋谷・吉祥寺、7月24日(金)よりアップリンク京都で公開を予定しておりました『クリシャ』ですが、浅井さんおよびアップリンクさんに対するハラスメントに関する訴訟を受けて、上映館であるアップリンクさんと協議の上、上映を延期する運びとなりました。

すでに新型コロナウイルスの感染拡大防止措置による映画館の自粛休館に伴い、一度公開を延期していた本作ですが、再び公開延期という判断を下し、皆様をお待たせする結果となってしまったこと、深くお詫び申し上げます。誠に申し訳ございません。

『クリシャ』の東京での公開は、浅井さんおよびアップリンクさんが、原告側へのしかるべき責任を果たしたのちに、改めてアップリンクさんで公開したいと考えております。
東京以外の公開は、現在まったく決まっておりませんが、なるべく多くの方に見ていただけるよう、営業等頑張っていきたいと思いますので、今しばらくお待ちいただければ幸いです。
映画館ブッキングの通例では、まずは東京で上映し、そこで話題を作り他の都市へ〜という流れがあるらしく、今回はその通例に外れてしまいますが、うまく新しい流れを作りたいと思っております。よろしければ、応援してください。

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いかなる理由があろうともハラスメントは絶対に許されるべきではないのは当然のことではありますが、映画を配給する者として、作品を一時的にでも取り下げることには複雑な心境がございます。

グッチーズ・フリースクールは個人的な活動(実際には多くの友人・知人の力を借りて成り立っておりますが)であり、一般的な映画配給とは異なる立場であることを前提に、少しその複雑な心境を書きたいと思います。ですので、他の作品について取り下げるべきなどの意見はありません。
なお、『クリシャ』の公開延期をお知らせする際にアップリンクさんがグッチーズを”配給会社”とされているのは、単に私の確認不足でございます。混乱を招いてしまっていたら、申し訳ございません。

今回訴訟を提起されているハラスメント問題については、『クリシャ』の上映実現に向けてご協力くださった方々と連日のように話し合ってきました。
また、(お名前は伏せますが)尊敬する先輩映画関係者の方から、今回のハラスメント問題に対して取るスタンスについて直接DMでご意見をいただいたりもしました。

そのなかでなされたものとして、すでに訴訟という形がとられている以上、当事者同士で進んでいくものである、という考えも理解できる一方、問題は業界全体の構造に関わっているという視点、そしてその業界に関わっている者として、なにかしらのアクションやスタンスを明確にすべきであるという意見には賛同する部分があります。もちろん、声をあげたりアクションを起こしたくても起こせない複雑な環境に身を置いてる方々も多くいるでしょう。

作品を提供することはハラスメント行為(あるいは行為者)を許容すること、ハラスメントを生じさせる構造を容認することに繋がるのでしょうか。論理的に繋がってしまうのであれば、作品は(論理的には)出されるべきではないでしょう。しかし、作品を取り下げることによって、今まさに懸命に働いている人たちをさらに追い込むことになってしまう現実的な問題も出てきます。もちろん、根本的な原因はハラスメントを行った者にあるはずです……とはいっても実際には、さらに辛い思いをされる方が出てきてしまう……と混乱ばかりが大きくなり、スッキリとした答えが一向に出てきません。また、経済的な問題で、作品を取り下げることが選択できない場合もあるでしょう。

さらには(これも連絡をくれた方のお考えでしたが)、(配給は)観客と映画を繋ぐ仕事であり、映画を取り下げることによって、人と映画とが出会うきっかけを失わせることになってしまう、という視点からも考えなければいけません。

グッチーズ・フリースクールは、素晴らしい映画をたくさんの人たちと共有し、一緒に楽しみたいという思いで活動しています(誰が自分のお金を使って楽しくないことをやるでしょう)。
極めて個人的でシンプルな問いとして(今回のハラスメント問題に対するスタンス、アクションを個人の趣向の視点から決断してよいのか迷う部分もありますが)、現段階のアップリンクさんで『クリシャ』を上映することで、皆さんとともに映画を楽しむことができるのでしょうか。
胸を張って観客の皆さんに「素晴らしい『クリシャ』(そう『クリシャ』は素晴らしい映画です)を見てください!」と声をかけられるのかと自問した時に、私にはやはり難しいと判断しました。

『クリシャ』は一度限定公開という形で上映しておりましたが、今回ロードショーという形で動き出せたきっかけの一つにアップリンクさんのお声がけがありました(過去の配給作『キングス・オブ・サマー』もそうです)。アップリンクさんがいなければ『クリシャ』のロードショーは実現出来ていなかったはずです。まだ実現出来ておりませんが。

なによりもまず一刻も早く、浅井さんおよびアップリンクさんには、ハラスメントを受けた皆様が納得のいく形で着地するよう真摯に問題に取り組でいただますよう強く求めます。
現段階では一緒に映画を盛り上げ、楽しんでいくことは困難ですが、責任をきちんと果たされ、新しいアップリンクを立ち上げる際には、グッチーズはできる限りのことはしたい気持ちでおります。それがいつになるかわかりませんが(繰り返しになりますが、一刻も早く、原告側の納得のいく形で問題に取り組んでください)、『クリシャ』をアップリンクさんで上映できる日を待っています。
グッチーズも『クリシャ』を含め素晴らしい映画をお届けし、映画を愛する皆さんと楽しくやっていけるよう、いい感じに頑張っていきたいと思います。

最後に、改めて『クリシャ』を楽しみに待ってくださっていた皆様にはお詫び申し上げます。

グッチーズ・フリースクール

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Killer of Sheep

スラム街に暮らす黒人たちの暮らしを鮮やかに描き、望まれながらも長らく劇場公開されなかった、黒人監督チャールズ・バーネットによる幻の傑作。 1970年代中頃、ロサンゼルスにあるワッツ地区。黒人たちが住むそのスラム街で、スタンは妻と息子、娘の4人で暮らしている。スタンは羊などの屠処理の仕事をし、一家は裕福ではなくても、それほど貧しくはない生活を送っていた。しかし仕事に励むなかで、日に日にスタンの精神は暗く落ち込み、眠れない日を送るなかで妻への愛情を表すこともしなくなっていた。 子供たちが無邪気に遊びまわっている街は、一方で物騒な犯罪が起き、スタンの周りの知人友人にも小さなトラブルは絶えない。 そんななか、家の車が故障したため知人からエンジンを買おうと出掛けるスタン。しかしエンジンを手に入れたスタンは、その直後思わぬ事態に見舞われるのであった……。

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