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メイズルス兄弟の2つの傑作『グレイ・ガーデンズ』&『セールスマン』ロードショー決定!

[東京]11月26日(土)よりシアター・イメージフォーラムほか
全国順次公開

 

☆『グレイ・ガーデンズ』上映劇場☆

東京:シアター・イメージフォーラム(上映終了・『セールスマン』は上映中!)

福岡:KBCシネマ(12/30〜)

京都:京都みなみ会館(1/6〜)

名古屋:名古屋シネマテーク(1/7〜1/20)

大阪:シネ・ヌーヴォ(1/14〜)

神奈川:BLEND/熱海シネマ(1/28 ※1日限定・山崎まどかさんトークショー付き!)

神奈川:横浜シネマリン(1/28〜)

兵庫:元町映画館(3/25〜3/31)


これまで何度かイベント的な上映をしてきたグッチーズ・フリースクール配給『グレイ・ガーデンズ』が、2022年11月26日(土)からシアター・イメージフォーラムさんで待望のロードショー公開致します。しかも同じくメイズルス兄弟が監督したもう一つの傑作ドキュメンタリー『セールスマン』(配給:東風+gnome)と同時公開です!


同時公開を記念してシアター・イメージフォーラムさん限定のお得なセット券も絶賛発売中! シアター・イメージフォーラムさん、または東風オンラインショップさんでご購入いただけます⏬


以前の上映イベントに際していただいたテキストもございますので、ご鑑賞のお供にぜひお読みください。

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待望の『グレイ・ガーデンズ』日本上映とともに未知の扉が開かれる

藤井仁子(映画評論家)

『グレイ・ガーデンズ』&『グレイ・ガーデンズ ふたりのイディ』解説

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彼女たちは何者か~『グレイ・ガーデンズ』と『ふたりのイディ』~

山内マリコ(小説家)

【特別寄稿】山内マリコさんによる『グレイ・ガーデンズ』関連3作書き下ろし作品評!

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「こう撮られたい私たち」のために

岡田秀則(国立映画アーカイブ主任研究員)

「こう撮られたい私たち」のために〜岡田秀則さんによるメイズルス兄弟特集特別寄稿!〜



Comment

知る人ぞ知るドキュメンタリーの傑作? 『グレイ・ガーデンズ』には歌がある。踊りがある。笑いがあって涙がある。手に入れた土地で自分流の暮らしを守りぬく誇り高き母娘の「西部劇」でもある。つまり映画なのだ!

藤井仁子(映画評論家)

時計のないお屋敷で掃除なんかせず、だけど毎日おしゃれに気を配り、スター願望は朽ちない娘イディ。その美意識の、極端なアンバランスさ。イズルス兄弟は彼女たちの暮らしぶりを、一切のジャッジメントを排して、ありのまま私たちに提示する。こちらの「まともさ」がぐらりと揺らぐほどの強度で!

山内マリコ(小説家)

朽ち果てた豪邸に住む二人のイディはまるで神話の登場人物のようでもあり、シャーリィ・ジャクソンの「ずっとお城で暮らしてる」の姉妹の行く末のようでもある。夢見る人の残酷な顛末、母と娘の胸にこたえる真実。グレイ・ガーデンズにまつわる全てが美しくて、滑稽で、悲しくて、愛おしい。

山崎まどか(コラムニスト)


『グレイ・ガーデンズ』
[監督][製作]アルバート・メイズルス、デヴィッド・メイズルス [監督]エレン・ホド、マフィー・メイヤー [出演]イーディス・ユーイング・ブーヴィエ・ビール、イーディス・ブーヴィエ・ビール  [編集]スーザン・フロムキー、エレン・ホド、マフィー・メイヤー [共同製作]スーザン・フロムキー  [公開年/上映時間/スクリーンサイズ]1975年/95分/スタンダード・ブルーレイ上映・日本語字幕:森彩子

≪あらすじ・イントロダクション≫
ケネディ大統領の妻ジャクリーヌの叔母といとこであるビッグ&リトル・イディの親子は、ボロボロの屋敷で二人暮らし。ともにシンガーやモデルとしてショービジネスの世界を目指した過去をもつ二人は、喧嘩をしたり、ラジオから流れてくる曲に合わせて歌ったり、ベランダで日光浴をしたり、猫に餌をやったりして暮らしている。とくに娘のリトル・イディは、監督のメイズルス兄弟にダンスを披露したり、二人を誘惑してみたり、とにかく活発に話して動きまわる。そしてなによりも、頭にスカーフを巻いたりスカートを上下逆さまに着たりするなど、著名デザイナーなどにも影響を与えることになる奇抜で個性的なファッションが魅力的。1975年の『グレイ・ガーデンズ』では、母と娘の一筋縄ではいかない異様な関係が鮮烈に描き出されている。ジョン・F・ケネディの親族にあたるビッグ・イディと、その娘リトル・イディの生活に密着したドキュメンタリー。マーク・ジェイコブスやアイザック・ミズラヒなどの名だたるファッションデザイナーや、Rookieブログや『Rookie Yearbook』などで知られるタヴィ・ゲヴィンソンがお気に入りの一本として挙げるなど、多くの熱狂的な支持を集めるカルト的人気誇る伝説的な作品。およそ半世紀の時を経て、ついに本邦初ロードショーとなる。

≪製作・監督:メイズルス兄弟とは≫
アルバート・メイズルス(1926-2015)、デヴィッド・メイズルス(1931-1987)
アメリカ、ボストンに生まれたメイズルス兄弟は、1960年代に始まるドキュメンタリー映画の潮流“ダイレクト・シネマ”の代表的映画監督。兄アルバートは、ケネディとハンフリーの大統領予備選を追ったPrimaryにカメラマンとして参加などした後、弟デヴィッドと共同での映画制作を始める。二人の代表作には本作のほか、聖書のセールスマンを追ったSalesman、初訪米時のザ・ビートルズに密着した『ザ・ビートルズ ファーストU.S.ヴィジット』や、コンサート中に観客が刺殺される瞬間も捉えた『ローリング・ストーンズ・イン・ギミー・シェルター』、美術家のクリスト&ジャン・クロードを追った『クリストのヴァレー・カーテン』などがある。デヴィッドの死去後も、アルバートは『アイリス・アプフェル! 94歳のニューヨーカー』などを発表している。また、アルバートは撮影監督としてオムニバス映画『パリところどころ』ゴダール篇にも参加。ゴダールは彼のことを「アメリカ最高のカメラマン」と評している。

≪編集・監督:エレン・ホド、マフィー・メイヤー とは≫
メイズルス兄弟の映画では、編集者も監督としてクレジットされていることが多い。ホドのインタビューによると、撮り終えた大量のフィルムから取捨選択し、主題を見出し、順番を考えつないでいく編集作業に、少なくとも本作でアルバートは全く、デヴィッドもほぼ関わっていないのだ(資金調達のため他で仕事をしていた)。編集を行ったのは、ともにメイズルス兄弟以外の作品でも監督として数多くの賞に輝いているエレン・ホドとマフィー・メイヤーのふたり。同じくホドによれば、『グレイ・ガーデンズ』の主題をデヴィッドは「リトル・イディは家を出ていくのかどうか」に見ていたが、編集のふたりは「なぜこの母娘は(他の人との関わりを排してまで)一緒にいるのか」という点だと見抜き編集を行ったとのこと。その後、1978年にMiddlemarch Films, Inc.という会社を共同で設立したホドとメイヤーは、テレビ映画や、アメリカ建国の歴史などをテーマにドキュメンタリーを作り続けている。主な作品にEnormous Changes at the Last MinuteBenjamin Franklinなどがある。

参考文献:Rosenthal, Alan and Ellen Hovde. “Ellen Hovde: An Interview.” Film Quarterly, Vol. 32, No. 2, Winter 1978-1979, pp. 8-17.

 

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Killer of Sheep

スラム街に暮らす黒人たちの暮らしを鮮やかに描き、望まれながらも長らく劇場公開されなかった、黒人監督チャールズ・バーネットによる幻の傑作。 1970年代中頃、ロサンゼルスにあるワッツ地区。黒人たちが住むそのスラム街で、スタンは妻と息子、娘の4人で暮らしている。スタンは羊などの屠処理の仕事をし、一家は裕福ではなくても、それほど貧しくはない生活を送っていた。しかし仕事に励むなかで、日に日にスタンの精神は暗く落ち込み、眠れない日を送るなかで妻への愛情を表すこともしなくなっていた。 子供たちが無邪気に遊びまわっている街は、一方で物騒な犯罪が起き、スタンの周りの知人友人にも小さなトラブルは絶えない。 そんななか、家の車が故障したため知人からエンジンを買おうと出掛けるスタン。しかしエンジンを手に入れたスタンは、その直後思わぬ事態に見舞われるのであった……。

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